システムエンジニアと資格

システムエンジニアにとっての資格とはどのようなものなのか、どのような価値があるのかを解説します。

スキルアップのための資格取得

資格取得の目的は多様にありますが、自分のスキルを向上させ、キャリアアップにつなげるために資格を取得することが最初のきっかけでしょう。一口にIT業界と言っても、職種は多様にあり、それに応じた資格が存在します。資格取得に向けて体系的に知識を習得することが、資格取得における大きなメリットの一つと言えます。例えばDBの入出力を行う機能の設計、実装を行っていたとして、DB設計やプログラム設計、実装におけるスキルは自ずと身についていきますが、それが体系立っているわけではありません。きちんとした開発手法、設計におけるキーポイントを押さえ、全体を通して工学的な見方ができるようになる必要があります。資格取得は、そのような偏った知識ではなく、全体的に必要な知識を習得できることが良い点です。


資格取得報酬のある会社

会社によって、資格に対する考え方が異なりますが、中には多額の報酬金を出す会社もあります。ITベンダーに多いようです。例えば、基本情報技術者に1万円、ネットワークスペシャリストに10万円、システムアナリストに20万円、というような具合です。あるいは、月給に上乗せすることで、永続的に貰える会社もあります。

一方で、資格取得は会社貢献とは別物であり、報酬金は一切出さない会社もあります。世の中ではそのような会社が多いのではないでしょうか。資格を取得したところで会社の売上に直接的に影響があるわけではなく、完全に自己責任の範疇という考えです。資格報酬金がモチベーションに大きくかかわる人にとっては、このような会社に入った際には資格取得のメリットが感じられないかもしれませんね。

就職・転職に有利な資格

就職の場合、基本情報技術者以上の資格を取得していると、評価される傾向にあります。学生時代に情報系の勉強をし、その成果の一つとして資格を取得できた、というアピールは、たとえ成績が悪くとも結果が出ている以上、評価されるのです。学生の方は、基本情報技術者を在学中に取得することを目標にしましょう。

転職の場合は就職とはわけが違います。例えば入社10年目のシステムエンジニアが基本情報技術者でアピールしても、逆効果です。キャリア、経験相応の資格を取得していることがアピールポイントになりますので、そうでない場合はアピールすべきではないでしょう。また、特に30歳以上の場合は即戦力での転職が多いと思いますので、資格よりも経験が大きく重視されます。資格取得に必死になり、実業をおろそかにする方がいますが、本末転倒なのです。